ゼブラの「ブレン」は油性インクでも水性インクでもなく、その中間に位置する「エマルジョンインク」を採用したボールペンです。
ただし、最近登場した「ブレンU」には新たな「S油性インク」が使われており、両者の違いに迷う方も多いようです。
「どちらが書きやすいの?」「水性と油性、結局どっちが自分に向いているの?」という疑問を持っているなら、この記事でしっかり解消できます。
筆記振動や筆圧、用途ごとの選び方なども含めて、専門的な情報をやさしく解説していきます。
ブレンは油性?水性?その疑問に答えます

ブレンが油性か水性かをめぐる疑問には、意外と奥が深い理由があります。
まずはインクの性質から見ていきましょう。
ブレンのインクは「油性でも水性でもない」が正解です
ゼブラのブレンに採用されている「エマルジョンインク」は、油性と水性の特性を融合したハイブリッドインクです。
インクの構成比は油性成分が約70%、水性成分が約30%とされており、それぞれの長所を取り入れた製品設計になっています。
水性インクのように滑らかに書けて、油性インクのように滲みにくく速乾性があるのが大きな特徴です。
筆記の快適性やストレス軽減を重視する人にとって、まさに“ちょうどいい”インク構造といえるでしょう。
油性ペンとの違いと水性ペンとの中間にある立ち位置
一般的な油性ボールペンはインクが粘性を持ち、筆圧を必要とします。
一方、水性ボールペンは軽い書き心地ですが、滲みやすく乾きにくいのが難点です。
ブレンのエマルジョンインクはこの両者の欠点をカバーし、長所を引き出す設計となっています。
そのため、紙質を問わず安定して書けるのもポイントです。
とくに学生やビジネスパーソンに人気があります。
ゼブラ ブレンとは?基本スペックをおさらい
ここでは、ブレンという商品の基本情報や、どのようなラインナップがあるのかをチェックしておきましょう。
シンプルだけど高機能。
発売から大ヒットした理由とは
ゼブラのブレンは2018年12月に発売され、1年で累計販売数500万本を突破するという異例のヒットを記録しました。
シンプルで無駄のないデザインながら、書き心地にとことんこだわった構造が高評価を受けています。
現在では、単色タイプ、3色タイプ、シャープペン付きモデルなど豊富なバリエーションが展開されており、用途や好みに合わせて選べるのが魅力です。
ブレンUや限定カラーなど、ラインナップの拡がりにも注目
通常のブレンに加えて、より滑らかで軽い書き心地を実現した「ブレンU」もラインナップに加わっています。
ブレンUには新開発のS油性インクが採用されており、エマルジョンインクとは異なる特徴を持ちます。
また、カラー展開も豊富で、限定デザインやコラボモデルなども登場。
筆記具としての性能だけでなく、所有感を満たすアイテムとしても人気があります。
ブレンの筆記振動対策とは?

ブレンが高く評価される理由のひとつに「ブレない」書き心地があります。
その秘密を見ていきましょう。
書いても手が疲れない秘密は“低重心とスプリング構造”
ブレンには、筆記振動(マイクロ振動)を抑えるための3つの設計工夫が施されています。
まず、ペン先近くに金属の重りを内蔵することで低重心を実現し、安定した筆圧をサポートします。
次に、リフィルの固定構造が強化されており、ペン先のガタつきを抑えています。
さらに、ノック部分には反発スプリングが仕込まれ、書いている途中のカチャカチャ音や無駄な揺れを軽減します。
これらの工夫が合わさることで、長時間でも疲れにくい筆記体験を可能にしているのです。
筆記振動の少なさが文字の美しさにも直結する
筆記振動が少ないということは、ペン先がブレずに安定するということです。
その結果、細かい文字や漢字も美しく整って書けるようになります。
とくに履歴書やノートなど、見た目の美しさが求められる場面では大きなアドバンテージになります。
ブレンはまさに「書くことに集中できる」ボールペンといえるでしょう。
ブレンのインクは「エマルジョンインク」
次に、ブレンの核となる“エマルジョンインク”の技術について詳しく掘り下げていきます。
油中水滴型の構造が可能にしたハイブリッドな書き味
エマルジョンインクは、油性インクの中に微細な水性インクの粒子を分散させた構造(油中水滴型)になっています。
これにより、油性インクの耐水性や滲みにくさを保ちながら、水性インクのような滑らかな書き味が実現しています。
この技術はゼブラが開発した独自のもので、文具業界において革新的な存在として知られています。
ブレンのインクはどんな紙質にも対応でき、にじみにくいので公文書や契約書などにも向いています。
高粘度×低粘度のバランスが筆記のストレスを解消
一般的な油性インクは高粘度で書き始めに力が必要で、水性インクは低粘度で速く書けますが、にじみやすい傾向があります。
エマルジョンインクはこの粘度のバランスを調整し、最適な筆記感を追求したインクです。
その結果、筆記時の抵抗感が少なく、滑るような書き味を体験できます。
また、速乾性にも優れているため、左利きの人でもインクが手につきにくい点もメリットです。
エマルジョンインクのメリットとデメリット
エマルジョンインクには多くの利点がありますが、すべてが完璧というわけではありません。
両面を見ていきましょう。
書きやすさと実用性に優れたインクだが万能ではない
エマルジョンインクの最大の強みは、滑らかさと滲みにくさを両立している点です。
これは、学生のノート取りから、ビジネス現場での速記、さらには日記や手帳などにも対応できる汎用性の高さにつながります。
特に筆圧が弱い人でも軽い力で書けるため、手が疲れにくいのも大きなポイントです。
ただし、濃淡の表現にはあまり向いておらず、アート用途やイラスト向けとしては不向きな面もあります。
向いているのは「実用性重視のユーザー」
以下のような方には、ブレンのエマルジョンインクは非常に適しています。
ユーザー層 | 理由 |
---|---|
学生 | ノートを速く書けて滲みにくい |
主婦 | 家計簿やメモに使いやすい |
ビジネスマン | 会議メモや外出先でも安定した筆記 |
左利きの人 | インクが手につきにくい速乾性 |
一方で、濃淡や筆圧を活かした表現を求める方には、他の筆記具の方が適している可能性があります。
使い方に応じてインクの特性を理解することが重要です。
ブレンUは「S油性インク」で進化したモデル

ブレンUは従来のブレンとは異なるインクを採用し、さらに使いやすさが向上しています。
なめらかで濃い「S油性インク」が軽い筆記を実現
ブレンUは、従来のエマルジョンインクではなく、新開発の「S油性インク」を使用しています。
このインクは、紙との摩擦係数が非常に低く、軽い筆圧でもスラスラと書けるのが特長です。
インクの色も濃く、視認性に優れているため、スピード感を求められるビジネスシーンにもぴったりです。
さらに、ブレンUでは金属製のクリップを採用しており、耐久性や高級感も向上しています。
本体の進化ポイントをチェック
- インク:S油性インク(滑らか&濃い)
- ペンクリップ:金属製で耐久性アップ
- デザイン:シンプルかつ現場向き
これにより、より過酷な環境でも信頼できるボールペンとして、多くの支持を集めています。
エマルジョンインクとS油性インクの違い
それぞれのインクは似ているようで、はっきりとした特徴の差があります。
エマルジョンインクは油性と水性の長所を合わせた中間的な存在であり、書き味にバランスが取れています。
一方、S油性インクはより「油性らしさ」を追求しつつも、なめらかさと濃さを両立したインクです。
軽いタッチでくっきり書けるため、筆圧が弱い人や立ったままの筆記に向いています。
インク種類 | 特徴 | 向いているシーン |
---|---|---|
エマルジョンインク | 滑らか+滲みにくい | ノート・日記・勉強用 |
S油性インク | 低摩擦で濃く書ける | 立ち仕事・メモ・現場利用 |
両者の違いを理解することで、使用目的に応じた最適な選択が可能になります。
他社製品との比較:ジェットストリーム vs ブレン
ブレンと並んで人気のある「ジェットストリーム」との比較を通して、それぞれの違いを明確にしていきます。
どちらが滑らか?速乾性と書き心地の違い
三菱鉛筆のジェットストリームは、超・低摩擦の油性インクを使用し、抜群の滑らかさが魅力です。
さらに速乾性にも優れているため、左利きの方や急いでメモを取りたいときにも便利です。
一方でブレンは、書いているときの“振動(ブレ)”を抑える構造に優れており、文字の整い具合や疲れにくさで差別化されています。
滑らかさだけでなく、筆記時の安定感を求める方におすすめです。
機能の比較表
項目 | ブレン | ジェットストリーム |
---|---|---|
インクの種類 | エマルジョン or S油性 | 低粘度油性インク |
書き心地 | 安定していて滑らか | 非常に滑らか |
持ちやすさ | 低重心で安定感あり | 軽量で疲れにくい |
速乾性 | 高い | 非常に高い |
向いている用途 | ノート・事務仕事 | メモ・速記 |
滑らかさを最重視するならジェットストリーム、安定性と疲れにくさを求めるならブレンが適しています。
各ペンのおすすめユーザー層
ペン選びは使う人の環境や目的によって変わります。
以下のような基準で選ぶのがおすすめです。
ブレンは、長時間筆記する学生や事務職の方にぴったりです。
低重心設計とインクの滑らかさにより、手が疲れにくく集中力も持続しやすいです。
特にブレンUは、立ち仕事や営業職などメモを素早く取りたいシーンに強みがあります。
一方、ジェットストリームは速記性と速乾性を重視したい人に向いています。
仕事で素早く文字を残す必要がある方には最適です。
ブレンは油性?水性?どっちがあなたに向いている?
ブレンの選び方は、自分の使用環境や好みに合わせて判断するのがポイントです。
用途別におすすめのブレンモデルを紹介
どちらが良いか迷った場合は、以下の表を参考にしてください。
使用シーン | おすすめモデル | 選ぶポイント |
---|---|---|
ノートや日記 | ブレン(エマルジョン) | 滑らか+安定 |
外出先や立ち仕事 | ブレンU(S油性) | 軽い筆圧でくっきり |
速記・速乾性重視 | ジェットストリーム | 高速筆記に強い |
左利きでにじみやすい人 | ブレンU or ジェットストリーム | 速乾性が重要 |
筆記具は“誰が・どこで・何を書くか”で選ぶと満足度が高まります。
同じブレンでも、モデルごとに性格が異なるため、ぜひ一度使い比べてみてください。
よくある質問(FAQ)
ユーザーがよく疑問に思うポイントを、わかりやすく整理しました。
替え芯の互換性はある?
はい、ブレンとブレンUは同じリフィルを使えるため、互換性があります。
リフィル型番は「NC-0.5」「NC-0.7」で、太さの違いによって選択できます。
ブレンUとブレン、どっちが長持ちする?
インクの減り具合はほぼ同等ですが、ブレンUの方がインク濃度が高いため若干減りは早い傾向があります。
ただし、金属クリップなど本体構造はブレンUの方が頑丈です。
ジェットストリームより滑らか?
滑らかさではジェットストリームが若干上です。
ただし、ブレンは“滑らかさ+安定感”のバランスに優れているため、長時間の筆記には向いています。
まとめ
ゼブラのブレンシリーズは、油性と水性の長所を兼ね備えたエマルジョンインクを中心に、より滑らかさと濃さを追求したS油性インクを搭載したブレンUなど、多彩なラインナップがあります。
ジェットストリームとの比較では、速乾性と軽い書き心地を求める方にはジェットストリーム、筆記時の安定感や疲れにくさを重視する方にはブレンが向いています。
どちらも一長一短あるため、自分の用途に応じて選ぶことが大切です。