「160Whのモバイルバッテリーってどのくらい使えるの?」そんな疑問を持つ人は多いですよね。
この記事では、160WhをmAhに換算した実際の容量、スマホやノートPCの充電回数、そして飛行機に持ち込めるかどうかのルールをやさしく解説します。
160Wh=約43,000mAhで、飛行機に持ち込めるギリギリの上限ライン。
旅行・出張・防災などあらゆるシーンで活躍する「ちょうどいい容量」を知っておけば、もうモバイルバッテリー選びで迷うことはありません。
この記事を読めば、安全で便利な160Whクラスのモバイルバッテリーを自信を持って選べるようになります。
160Whモバイルバッテリーとは?意味と基本の仕組みをやさしく解説

モバイルバッテリーの容量を見ると、「160Wh(ワットアワー)」と書かれていることがあります。
この数値が示しているのは、1時間あたりにどれくらいの電力を供給できるかという「電力量」です。
つまり、160Whとは「1時間に160ワットの電力を供給できるバッテリー容量」という意味になります。
WhとmAhのちがいを初心者にも分かりやすく
まず、Wh(ワットアワー)とmAh(ミリアンペアアワー)は似ているようで、まったく異なる単位です。
Whは「どのくらい使えるか」を示す電力量、mAhは「どのくらい蓄えられているか」を示す電気量です。
たとえば同じ10,000mAhでも、内部電圧が違えばWh値も変わります。
そのため、正確な容量を知りたいときはWh表記を見るのがもっとも確実です。
Whは「電圧(V)× 電流(A)× 時間(h)」で求められ、電圧が高いほど実際の出力量も増します。
| 項目 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| Wh(ワットアワー) | どれだけの電力を使えるか | 160Wh=大容量タイプ |
| mAh(ミリアンペアアワー) | どれだけ電気を蓄えられるか | 10,000mAh=スマホ約2回分 |
「160Wh」はどのくらい?スマホ・PC充電の目安
160Whのモバイルバッテリーは、一般的なスマホ用(約10,000mAh・37Wh)の約4倍以上の電力量です。
スマホなら5~6回、ノートPCなら1~2回の充電が可能で、タブレットなら約3回ほどフル充電できます。
つまり、160Whは「出張・旅行・防災」すべてに対応できる実用的な上限クラスといえるでしょう。
| デバイス | 充電回数の目安 |
|---|---|
| スマホ | 約5~6回 |
| ノートPC | 約1~2回 |
| タブレット | 約3回 |
| ワイヤレスイヤホン | 約30回 |
容量が大きい分、サイズや重量も増えますが、電源が取れない環境でも複数デバイスを同時に充電できる安心感があります。
160Whは何mAh?計算式と実際の換算例
次に、「160Whって何mAh?」という疑問に答えていきましょう。
mAhとWhは変換が可能で、電圧を考慮すればどちらの単位からでも計算できます。
WhからmAhに変換する方法
基本の計算式はこちらです。
mAh = (Wh × 1000) ÷ 電圧(V)
たとえば160Wh・3.7Vのバッテリーなら、
160 × 1000 ÷ 3.7 = 約43,000mAh
となります。つまり、160Wh ≒ 43,000mAhと覚えておくと便利です。
| 電圧(V) | 160Wh換算のmAh値 |
|---|---|
| 3.6V | 約44,400mAh |
| 3.7V | 約43,000mAh |
| 3.8V | 約42,100mAh |
製品によって電圧が異なるため、実際の値は少し前後しますが、おおよそ40,000~44,000mAh前後が160Whクラスの標準です。
モバイルバッテリーのパッケージにmAhしか書かれていない場合は、電圧を3.7Vとして計算すればおおよそのWh値を把握できます。
mAhからWhに直すときの考え方と注意点
逆にmAhからWhを知りたい場合は、次の式を使います。
Wh = (mAh × 電圧) ÷ 1000
たとえば20,000mAh・3.7Vのモバイルバッテリーなら、
20,000 × 3.7 ÷ 1000 = 約74Wh になります。
この式を覚えておくと、飛行機に持ち込めるかどうかを簡単に判断できます。
160Wh未満ならほとんどの航空会社で持ち込みOKなので、mAh値しか表示されていない場合でも、自分で安全ラインを確認できるようになります。
| mAh | 電圧(V) | Wh換算値 |
|---|---|---|
| 10,000 | 3.7V | 約37Wh |
| 20,000 | 3.7V | 約74Wh |
| 40,000 | 3.7V | 約148Wh |
このように、WhとmAhの関係を理解しておくと、容量選びで迷うことがなくなります。
「160Wh ≒ 43,000mAh」という基準を覚えておくと非常に便利です。
160Whモバイルバッテリーは飛行機に持ち込める?

モバイルバッテリーを飛行機に持ち込む際、最も重要なのが「容量(Wh)」の確認です。
多くの人が気になる「160Whは飛行機に持ち込めるの?」という疑問について、国際ルールと国内ルールを整理して見ていきましょう。
国際ルールと日本の航空会社の基準
国際航空運送協会(IATA)および日本の国土交通省では、リチウムイオン電池の容量に応じて明確な基準を定めています。
これは、過熱や発火のリスクを防ぐための安全対策で、世界共通のルールとして採用されています。
| 容量区分 | 持ち込み | 預け入れ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 100Wh以下 | 〇(制限なし) | × | スマホ・小型バッテリーなど |
| 100~160Wh | 〇(2個まで) | × | 申告が必要。PC用など |
| 160Wh超 | × | × | 航空機への持ち込み不可 |
この表の通り、160Wh以下なら飛行機に持ち込みOKですが、100Whを超える場合は「1人2個まで」「申告が必要」という条件がつきます。
つまり、160Whは飛行機で持ち運べる最大容量の上限ラインということです。
国内線と国際線での違い
JALやANAなどの国内線は、IATAの国際ルールをそのまま採用しています。
そのため、日本国内のフライトでは「160Wh以下かどうか」で判断すれば問題ありません。
一方、海外の航空会社では、100Whを超えると事前申請を求められる場合があります。
たとえばANAは160Whまで2個OKですが、海外では「101~160Whは要承認」と指定されていることもあります。
渡航前には利用する航空会社の公式サイトで最新情報をチェックしておくと安心です。
| 航空会社 | 持ち込み条件 |
|---|---|
| ANA / JAL | 160Wh以下 2個までOK(申告要) |
| デルタ航空 | 100Wh以下無制限、101~160Whは申請要 |
| シンガポール航空 | 160Wh以下2個までOK(要承認) |
160Wh超のバッテリーがNGな理由
リチウムイオン電池は衝撃や高温に弱く、万が一ショートすると発火するおそれがあります。
そのため、容量が大きくなるほど危険性も増し、航空輸送時のリスクが高くなります。
160Whを超えるバッテリーは、機内持ち込みも預け入れも禁止されており、宅配便などでも航空輸送が制限されることがあります。
安全のためにも、160Whを超える大容量タイプは陸送または船便を利用するのが原則です。
飛行機に持ち込めるモバイルバッテリー容量早見表
ここでは、飛行機に持ち込めるモバイルバッテリー容量を一目で確認できるようにまとめました。
旅行や出張の前に、この表を参考にすれば安心です。
100Wh・160Whそれぞれの制限まとめ
以下の表は、代表的な容量ごとの航空機持ち込み可否を示したものです。
| 容量(mAh) | Wh換算 | 機内持ち込み | 預け入れ |
|---|---|---|---|
| 10,000mAh | 約37Wh | 〇 | × |
| 20,000mAh | 約74Wh | 〇 | × |
| 30,000mAh | 約111Wh | 〇(申告要) | × |
| 40,000mAh | 約148Wh | 〇(申告要) | × |
| 43,000mAh | 約160Wh | 〇(ギリギリ上限) | × |
| 45,000mAh | 約166Wh | × | × |
このように、160Whは「飛行機に持ち込める最大値」であり、これを超えると一切の持ち込みが禁止されます。
申告が必要なケースと安全に持ち込むコツ
100Whを超えるモバイルバッテリーを持ち込む場合は、空港で申告が必要です。
多くの航空会社では、出発前のチェックインカウンターまたは保安検査場で確認を行います。
安全に機内へ持ち込むためには、次の点を押さえておきましょう。
- WhまたはmAhの表示が明確にあること(印字・ラベル)
- PSEマーク付き製品であること(日本国内では必須)
- 端子を絶縁テープで保護する
- バッテリー残量を50~80%程度に抑える
| チェック項目 | 対応の有無 |
|---|---|
| Wh表記あり | 必須 |
| PSEマークあり | 必須 |
| 160Wh以下 | 必須 |
| 端子の絶縁処理 | 推奨 |
| 残量50%以下 | 推奨 |
このような準備をしておけば、空港でトラブルになることはありません。
特に海外旅行では航空会社によって運用が異なるため、事前確認を習慣にしましょう。
「100~160Wh=2個まで・申告必要」という原則を覚えておくと便利です。
シーン別おすすめ容量と選び方

モバイルバッテリーは容量によって使い勝手が大きく変わります。
ここでは、シーンごとに「どのくらいの容量が最適か」をわかりやすく整理していきます。
普段使いなら10,000mAhクラス
日常使いには10,000mAh(約37Wh)程度のモバイルバッテリーが最適です。
スマホを2~3回フル充電でき、軽量で持ち運びやすいのが特徴です。
通勤・通学、外出中の電池切れ対策にはこのクラスで十分です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 容量 | 約10,000mAh(約37Wh) |
| 重さ | 約200g前後 |
| おすすめ用途 | スマホ・イヤホン・モバイルルーター |
最近では、ワイヤレス充電やデジタル残量表示など、便利機能を備えたモデルも増えています。
「軽くてよく使う」人には10,000mAhクラスがベストです。
出張・旅行には20,000mAhクラス
1泊2日や出張が多い人には、20,000mAh(約74Wh)クラスがおすすめです。
ノートPCやタブレットの充電にも対応でき、PD(Power Delivery)対応モデルなら充電スピードも速くなります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 容量 | 約20,000mAh(約74Wh) |
| 重さ | 約400g~500g |
| おすすめ用途 | スマホ+ノートPC+タブレット |
USB-C出力が2~3口あるタイプなら、複数デバイスを同時に充電可能です。
「旅行・出張の相棒」には20,000mAhクラスがちょうどよいでしょう。
防災・キャンプには40,000mAhクラス
長期滞在やアウトドア、防災目的なら、40,000mAh(約148Wh)クラスが安心です。
160Wh以下のため飛行機にも持ち込み可能で、災害時の電源確保にも役立ちます。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 容量 | 約40,000mAh(約148Wh) |
| 重さ | 約1kg前後 |
| おすすめ用途 | キャンプ・停電時・防災備蓄 |
AC出力(100V)対応タイプなら、小型家電やライトも使用できます。
防災リュックに入れるなら「40,000mAh・160Wh未満」クラスが理想です。
モバイルバッテリー選びのポイントと注意点
モバイルバッテリーは「どのくらいの容量を選ぶか」だけでなく、「安全性」も重要です。
ここでは、購入時と使用時のチェックポイントを整理しておきましょう。
購入前に確認すべき「PSEマーク」と「Wh表記」
PSEマークは日本の電気用品安全法に適合している証で、これがない製品は販売自体が違法です。
海外通販サイトでは、PSEマークを偽装した製品も見かけるため注意が必要です。
購入時は「PSEマーク」と「Wh表記」があるか必ず確認しましょう。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| PSEマーク | 製品またはラベルに明記されているか |
| Wh表記 | 容量が明確に表示されているか |
| メーカー名 | 国内外の信頼ある企業か |
Wh表記がない場合、航空会社の検査でトラブルになる可能性があります。
とくに飛行機に持ち込む予定がある人は、ラベル表示を必ず確認しましょう。
劣化や発火を防ぐ正しい使い方
モバイルバッテリーの寿命は、扱い方次第で大きく変わります。
以下のポイントを守ることで、安全に長く使うことができます。
- 高温の車内や直射日光下に放置しない
- 満充電状態で長期間放置しない
- 残量30~70%で保管する
- 純正ケーブル・安全機能付き充電器を使う
- 水分・湿気の多い環境を避ける
バッテリーは「高温・満充電・放置」が三大NGです。
これらを避けるだけで、劣化や発火のリスクを大きく減らせます。
長く使うためのチェックリスト
最後に、モバイルバッテリーを選ぶ際のチェックリストをまとめました。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 出力ポート数 | USB-A/USB-Cなど必要な数を確認 |
| 出力規格 | PD・Quick Charge対応が便利 |
| 重量 | 持ち歩くか据え置くかで選ぶ |
| 保護機能 | 過電流・過熱・短絡保護つきが安心 |
| 保証 | メーカー保証・サポート体制を確認 |
価格よりも「安全性・保証・耐久性」を優先するのが失敗しないコツです。
まとめ|160Whは飛行機に持ち込める“ちょうどいい上限容量”
ここまで「160Whモバイルバッテリーはどのくらい使えるのか」「飛行機に持ち込めるのか」をやさしく解説してきました。
最後に、この記事のポイントを整理しておきましょう。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 容量の意味 | 160Wh=約43,000mAh。スマホ5~6回分の充電が可能。 |
| 飛行機ルール | 160Wh以下なら持ち込みOK(2個まで・申告必要)。 |
| おすすめ用途 | 旅行・出張・防災など幅広く活躍。 |
| 選び方 | PSEマーク・Wh表記・メーカー保証を確認。 |
160Whクラスのモバイルバッテリーは、容量・安全性・携帯性のバランスが非常に優れています。
飛行機に持ち込めるギリギリの上限で、最も汎用性が高い容量といえるでしょう。
スマホだけでなく、ノートPCやタブレット、小型家電の充電にも十分対応できます。
USB-C PD対応タイプを選べば、より高速で効率的な充電が可能になります。
さらに、防災やキャンプ用途でも非常に頼りになる存在です。
停電時にはライト・扇風機・Wi-Fiルーターの電源としても機能し、ライフラインを支える心強い味方になります。
160Whを超えると飛行機に持ち込めなくなるため、容量選びの基準としても覚えておきましょう。
「160Wh=飛行機OKの上限ライン」を意識すれば、どんなシーンでも安心して使えます。
最後にもう一度まとめると、160Whモバイルバッテリーは次のような人に最適です。
- 出張・旅行が多く、飛行機での移動が多い人
- 災害時の備えとして、安心できる電源を確保したい人
- スマホ・PC・家電など複数デバイスを使う人
容量・安全性・持ち運びやすさのバランスが取れた160Whは、まさに「どんなシーンでも使える万能クラス」です。
これから購入を検討するなら、PSEマークとWh表記を必ず確認し、信頼できるメーカー製品を選ぶことをおすすめします。
安全で便利なモバイルバッテリーを選んで、日常も旅行も快適に過ごしましょう。


