Windows 11の動作が遅くなったと感じる場合、ほとんどの原因は「メモリの使いすぎ」にあります。
タスクマネージャーでメモリ使用量を確認すれば、アプリごとの負荷や空き容量がひと目でわかります。
特にPC初心者の方にとって、難しそうに見える「パフォーマンスタブ」や「リソースモニター」の使い方も、実はとてもシンプル。
この記事では、Windows 11でのメモリ確認方法から、増設の見極め方、動作を軽くする実用的なチェックポイントまでを、わかりやすく解説します。
読み終わる頃には、PCの動作が重くなる理由が明確になり、すぐに改善に向けて動けるようになります。
Windows 11が重くなる主な原因とは?

PCの動作が急に重くなったと感じたら、まず疑うべきは「メモリ不足」です。
動作が遅いと感じたら、その背景には明確な理由があります。
最近PCの動作が遅いと感じたらメモリ使用量を疑うべき理由
PCのパフォーマンスが低下する大きな原因のひとつが、メモリ(RAM)の使用率の上昇です。
特に複数のアプリを同時に開いていたり、ブラウザのタブを大量に開いていると、あっという間にメモリは消費されていきます。
Windows 11では、メモリ管理がより高度になっていますが、それでも限界を超えるとアプリがフリーズしたり、操作が重くなることは避けられません。
「動作が遅い」と感じるときは、まずタスクマネージャーでメモリ使用量をチェックして、原因を見える化することが第一歩です。
メモリ使用量が多くなるとPCの応答が鈍くなる
メモリは作業スペースのようなもので、ここが狭くなるとすべての動作が窮屈になります。
メモリ使用率が80%を超えると、アプリの起動が遅くなったり、ファイルの保存で固まったりする原因になります。
特にZoomやAdobe系アプリ、Google Chromeなどは知らず知らずのうちに多くのRAMを消費していることも。
【注意すべき兆候】
- アプリの起動に時間がかかる
- タスク切り替え時に固まる
- フリーズや再起動が頻発する
Windows 11でメモリ使用量を確認する方法【初心者向け】
PCが重いと感じたとき、まずはメモリの使用状況を把握することが重要です。
Windows 11なら、誰でも簡単に確認できます。
タスクマネージャーを開く3つの方法
Windows 11でメモリを確認するには、まずタスクマネージャーを開く必要があります。
起動方法は複数あり、自分に合った方法を選べます。
もっとも簡単なのは「Ctrl + Shift + Esc」のショートカット。
これで一発起動できます。
マウス派の方は、スタートボタンを右クリックする方法もあります。
また、検索ボックスに「task」と入力して探す方法も便利です。
使いやすい方法を覚えておくと、トラブル時にすぐ対応できるようになります。
ショートカットとスタートメニューの使い分けがカギ
- Ctrl + Shift + Esc:最速・キーボード派向け
- スタートボタン右クリック → タスクマネージャー:マウス操作が得意な人におすすめ
- 検索ボックスに「task」入力:初心者向け・確実な方法
普段どれを使うか決めておくことで、PCトラブル時の対応力がアップします。
「パフォーマンス」タブの見方を解説
タスクマネージャーを開いたら、左側の「パフォーマンス」タブをクリックして、メモリの使用状況を確認します。
ここではCPUやディスクの状態も見られますが、注目すべきは「メモリ」の項目です。
棒グラフと数値が表示されており、「使用率」「空き容量」「使用中の容量」などがリアルタイムでわかります。
使用率が高いと、PCの動作が不安定になる傾向があります。
この画面を見ながら、アプリ使用中の挙動と照らし合わせることで、何が原因かを推測しやすくなります。
メモリの棒グラフをどう読むかがポイント
【確認できる指標】
- 使用率(%):リアルタイムの負荷状況
- 使用中(GB):今まさに使われている容量
- 利用可能(GB):今すぐ使えるメモリ領域
使用率が常に80%以上であれば、アプリの整理や再起動を検討すべきです。
メモリ画面の専門用語をやさしく解説
メモリの使用状況を正しく理解するためには、用語の意味を知っておく必要があります。
たとえば「コミット済み」や「キャッシュ済み」といった項目は、一見難しそうに見えますが、実は仕組みはシンプルです。
これらは物理メモリと仮想メモリ、またはOSの自動管理によってどのようにメモリが使われているかを表しています。
用語の意味を知ることで、メモリ不足のサインに気づきやすくなります。
主要なメモリ用語の意味を簡単に理解しよう
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 使用中 | 実際に使われている物理メモリ量 |
| コミット済み | 仮想メモリとの合計で予約されている容量 |
| キャッシュ済み | 再利用のために一時保存されているデータ |
| 利用可能 | 空きとスタンバイ領域の合計で、すぐ使える容量 |
「利用可能」が極端に少ない状態が続くと、動作不良の前兆である可能性が高いです。
スロット使用状況からメモリ増設の可否を確認する方法

メモリ使用率が高く、動作改善のために増設を検討する際は、まずスロットの使用状況を確認しましょう。
意外と見落とされがちなポイントです。
「1/2」「2/2」「オンボード」の違いと見方
タスクマネージャーの「パフォーマンス」→「メモリ」画面の右下に表示される「スロットの使用」という項目では、メモリスロットの使用状況が数字で確認できます。
たとえば「1/2」なら2スロット中1つが使用されている状態なので、1つ空いていることになります。
「2/2」なら空きなし。
「オンボード」と表示されている場合は、基板にメモリが固定されており交換不可です。
この確認をせずに増設を試みると、無駄な出費や作業になることもあるので要注意です。
自分のPCが増設できるか事前に確認しよう
- 1 / 2:1スロット空きあり。
追加増設が可能。
- 2 / 2:全スロット使用中。
交換が必要。
- オンボード:増設不可。
モデルによっては買い替え検討が必要。
確認方法はとても簡単なので、増設の前には必ずチェックしておきましょう。
重くなる原因アプリを特定する方法
メモリの使用率が高いときは、どのアプリが原因かを特定することが改善の第一歩です。
タスクマネージャーで簡単に確認できます。
タスクマネージャーの「プロセス」タブを使いこなす
メモリを多く消費しているアプリを見つけるには、タスクマネージャーの「プロセス」タブを開きましょう。
ここでは現在動作中のアプリやバックグラウンドプロセスのメモリ使用量が一覧表示されます。
「メモリ」列をクリックすると、消費量が多い順に並び替えられ、負荷の高いアプリがすぐに分かります。
必要ないものは手動で終了することも可能です。
この手順を知っておくと、PCの動作が遅いときでも、冷静に原因アプリを特定できるようになります。
メモリ消費アプリを特定するステップ
【操作手順】
- タスクマネージャーを開く(Ctrl + Shift + Esc)
- 「プロセス」タブをクリック
- 「メモリ」列をクリックして降順に並び替える
- 上位アプリを確認し、不要なものは右クリック → 「タスクの終了」
この方法で定期的にチェックすれば、PCの動作不良を未然に防ぐことができます。
よくあるメモリ大食いアプリとその対処法
常にメモリ使用率が高い場合は、使っているアプリに原因があるかもしれません。
特定の種類のソフトは、意外と大量のメモリを消費しています。
たとえばGoogle Chromeなどのブラウザは、タブを多く開くとすぐにメモリを圧迫します。
画像編集ソフトや動画編集アプリ、ゲームなども、数GB単位のメモリを使うことがあります。
それぞれのアプリの特徴を理解しておくことで、使用時の工夫や対処がしやすくなります。
ジャンル別・高負荷アプリの特徴と対処法
| アプリジャンル | 特徴 | 主な対処法 |
|---|---|---|
| ブラウザ(Chrome / Edge) | タブを多く開くと爆発的にメモリを消費 | 不要なタブを閉じる。メモリ節約設定を活用 |
| ゲーム(3D/オンライン) | 高画質描写で数GB単位のメモリを使う | ゲームプレイ中は他アプリを終了する |
| 画像・動画編集ソフト | 処理中の素材が大きいとメモリ使用が急増 | 使用前にPCを再起動。自動保存を設定する |
常駐アプリが原因になることもあるため、特定のアプリに依存しすぎないPC運用が重要です。
設定アプリで手軽に実装メモリ容量を確認する方法

「自分のPCにどれくらいメモリが搭載されているか」を確認したい場合は、設定アプリで簡単にチェックできます。
初心者にもおすすめです。
「バージョン情報」からRAMをチェック
Windows 11では、「設定」アプリを使って物理メモリ(実装RAM)の容量を数クリックで確認できます。
スタートボタンを右クリックし、「システム」を選択。
その後、画面下部の「バージョン情報」をクリックすると、「実装RAM」という項目にメモリ容量が表示されます。
この方法はとてもシンプルで、タスクマネージャーのような複雑な数値を見なくても、PCの基本スペックが把握できます。
こんなときに便利:RAM容量だけ知りたいとき
【確認方法まとめ】
- スタートボタン右クリック → システム
- 「バージョン情報」までスクロール
- 「実装RAM」の数値をチェック(例:16.0 GB)
これだけで、自分のPCが何GBのRAMを搭載しているかを一目で確認できます。
上級者向け:リソースモニターで詳細分析する方法
より詳しくメモリの状態を分析したい場合は、「リソースモニター」を使うと便利です。
プロユーザーに人気のツールです。
リソースモニターの起動手順と便利な使い方
リソースモニターは、Windowsに標準搭載されているシステム監視ツールです。
タスクマネージャーよりも細かい情報が表示されるため、詳細分析に向いています。
起動方法は2つあります。
スタートメニューの検索ボックスに「resmon」と入力する方法と、タスクマネージャーのパフォーマンスタブから起動する方法です。
グラフで色分けされたメモリの使用状況が見えるので、リソースの状態を視覚的に判断できます。
詳細情報を見たいときにおすすめの手段
- 検索から起動:スタート → 検索 → 「resmon」と入力 → Enter
- タスクマネージャーから:パフォーマンス → 「…」→ リソースモニター起動
通常の確認では分からない「スタンバイ」や「予約済み」などの内訳まで表示されるため、上級者には必須のツールです。
スタンバイ・空き・ハードウェア予約済みの違い
リソースモニターのメモリタブでは、使用状況が色分けされた棒グラフで表示されます。
この中で特に重要なのが、「スタンバイ」「空き」「ハードウェア予約済み」の3つです。
スタンバイはすぐに再利用可能なメモリ領域、空きは完全に未使用の領域、ハードウェア予約済みはドライバやBIOSが占有している領域を意味します。
それぞれの役割を理解することで、メモリの使われ方をより深く分析できるようになります。
色分けグラフを正しく読むための知識
| 項目 | 色 | 意味 |
|---|---|---|
| スタンバイ | 薄い青 | すぐ再利用可能なキャッシュ済みメモリ |
| 空き | 水色 | 完全に未使用のメモリ領域 |
| ハードウェア予約済み | グレー | OSから使えない。BIOSやGPUが確保している領域 |
グレー領域が異常に大きいときは、メモリ不良やBIOS設定の見直しが必要になることもあります。
メモリ不足時に試すべき5つの対処法
メモリ不足が深刻になった場合、すぐに試せる効果的な対処法があります。
順番に試すことで改善しやすくなります。
PC再起動でメモリリークを解消
最も簡単で確実なのが「再起動」です。
長時間PCを使用していると、アプリが使い終わったメモリを開放しない「メモリリーク」という状態になることがあります。
これが積み重なると、どんなに高性能なPCでも動作が重くなります。
定期的な再起動は、そうした一時的なメモリの不具合をリセットするのに効果的です。
スタートアップアプリの整理方法
PC起動時に自動で立ち上がるアプリが多いと、それだけでメモリを圧迫します。
使わないアプリは無効化するのがおすすめです。
タスクマネージャー → 「スタートアップ」タブから、不要なアプリを右クリック → 無効化で簡単に整理できます。
ChromeやEdgeのメモリ節約機能を活用
ブラウザはタブを開けば開くほどメモリを消費します。
最近のブラウザには、未使用タブを自動的にスリープさせる「メモリセーバー」機能があります。
Chromeなら「設定 → パフォーマンス」、Edgeなら「設定 → システムとパフォーマンス」で有効化できます。
仮想メモリの自動管理設定を見直す
物理メモリが足りないとき、Windowsはストレージを使って「仮想メモリ」を活用します。
この設定が不適切だと、動作が遅くなることも。
推奨は「自動的に管理する」にチェックを入れること。
コントロールパネル → システム → パフォーマンス → 仮想メモリで確認できます。
メモリ増設で根本的に解決する方法と注意点
根本的に容量不足の場合、最も確実な方法はメモリの増設です。
特に8GB未満のPCでは、16GBへのアップグレードで体感的に大きな違いが出ます。
ただし、スロットの空き状況やオンボードタイプの有無を事前に確認しておくことが重要です。
【まとめ】Windows 11のメモリ使用量を正しく理解して快適なPC環境を手に入れよう
動作が重くなる原因の多くはメモリ使用量にあります。
タスクマネージャーやリソースモニターを使って状況を「見える化」することで、的確な対処ができるようになります。
メモリの基本構造や専門用語を押さえることで、今後のPC管理にも役立ちます。
定期的なチェックと簡単な対処で、PCのパフォーマンスを最大限に活かしましょう。


